今回、ご紹介するクルマがメルセデスベンツE350ブルーテックに決まり、撮影先にチョイスしたのは北陸の古都、金沢。いまも藩政期の趣を残す街並と、 近未来を予感させるモダン建築を背景に、はたして最新のメルセデスはどう映るのだろうか。 モデルに想定したのは、“子どもたちの成人を見届けた熟年夫婦”。久しぶりの二人だけの旅の目的地としても、金沢はしっくりとくる。都心からの500キロという距離も、日常から解き放たれるには充分だ。絶大な安心感に包まれるE350に身を委ねるうち、ほとんど疲労を感じないまま金沢の街へ到着した。
"メルセデスベンツ E350 ブルーテック" ■エンジン:3リッターV6DOHC24バルブ・コモンレールディーゼルターボ ■トランスミッション:電子制御7速AT ■全長: 4,870mm 全幅:1,855mm 全高:1,455mm 重量:1,919kg ■燃料消費率(10・15モード走行):13.2km/l ■最高出力〈ネット〉:155kw[211ps]/3,400rpm ■最大トルク〈ネット〉:540N・m[55.1kg・m]/1,600∼2,400rpm
百万石の町人文化が香る、金沢を代表する観光地『ひがし茶屋街』
■つば甚 〒921-8033 石川県金沢市寺町5-1-8 TEL 076-241-2181 創業は1752年に遡る、金沢を代表する老舗料亭。犀川を挟んで城下を見下ろす絶好の眺望と、新鮮な素材をふんだんに使い技巧を凝らした加賀料理によって、伊藤博文や芥川龍之介からも贔屓にされた。 ■営業時間/11:00∼14:00、17:00∼21:00 ■定休日/年末年始
今回のロングランに、E350はうってつけのクルマだった。エンジン音と振動は室内に侵入せず、かつてのディーゼルエンジンの印象は、まったく感じられない。路面の凹凸もうまく吸収し、車内での会話はストレスなく楽しめた。回転計は、加速中ですら1500回転前後を示し、省燃費を予感させる。実際、金沢往復と市街地を縦横に走り回った燃費は、10・15モードの13.2L/km近くまで到達した。重量級サルーンとしては抜群の高性能だ。 金沢の市街に入ってからは、別の魅力が顔を出す。城下町に特有の細く、不規則に折れ曲がった道にも小回りよく対応し、旧市街では見切りの良いボディと切れ角の大きな前輪が活躍。撮影では、金沢の伝統にも革新にも違和感を見せず、まるで苦楽を共にした夫婦のように、しっくりと街並に馴染んでいた。伝統と革新、それぞれを併せ持つ両者にとって、お互いを引き立て合うのは必然だったのかもしれない。 「ブルーテック」技術(排気ガスに尿素水溶液「アドブルー」を噴射し、Nox〔窒素酸化物〕を削減する技術)を搭載した最新のメルセデスE350をドライブし、静かでクリーンなディーゼルエンジンにふれた今回の旅からは、最新メルセデスが持つ長距離ランナーとしての資質の高さが強く感じられた。
■すみよしや 〒920-0906 石川県金沢市十間町54 TEL 076-221-0157 創業360年。全国測量の途上、伊能忠敬も宿泊した金沢で最も歴史ある旅館。けやきの一枚看板や松の大梁に歴史と風格を感じる。一方、温かいもてなしや心のこもった料理、リーズナブルな料金は、金沢への旅をぐっと身近にしてくれる。 ■チェックイン/15:00 ■チェックアウト/10:00 ■1泊2食付き、8,400∼12,600円(1名様)