ダイナミックに生まれ変わったメルセデス・ベンツ・ニューCクラス…「アバンギャルド」は、スポーツドライビングの歓びをより価値あるものとするために、先鋭的な個性とともにニューCクラスの卓越した走りを実現している。その技術の中心にあるのが、ニューCクラスで初めて採用されたAGILITY CONTROL（アジリティコントロール）。卓越したサスペンションシステムや高いねじれ剛性を発揮する高剛性ボディを始め、エンジンやトランスミッションなど多岐にわたる性能をバランス良く統合した新技術である。特にサスペンションシステムには、油圧式セレクティブダンピングシステムを備えるAGILITY CONTROLサスペンションを採用。通常走行ではしなやかな乗り心地を実現し、ハードなコーナリングなど、一定以上の負荷がかかったときには、瞬時に減衰力を高めるこのシステムは、スポーツ走行時の優れたロードホールディング性能と、あくまでもマイルドで快適な乗り心地を両立させている。このニューCクラス…「アバンギャルド」のステアリングを握って、東京から東名高速を走る。操作性のしやすさ、安定感、そして快適性、すべてに満足できるクルーズ走行だ。静かな車内に心地よく響いてくるエンジンの鼓動、そして4輪がひとつずつ確実に捉える路面感覚を楽しんでいると、すぐに沼津インターチェンジだ。目的地をもう少し遠くにしておいたほうが良かったかも知れないと思いながら、さっそく沼津港へと向かう。少し早めのランチを贅沢にいただくことにした。

　駿河湾は、日本一深い湾であることをご存じだろうか。しかも、この大きな湾に豊富なプランクトンを運んで暖流、黒潮が流れ込む。結果、駿河湾は一年を通して水温の変化が少なく、多くの魚が集まり、アジ、サバ、イワシ、カツオ、タチウオなどの良質な漁場になっているということだ。 沼津港魚市場に隣接した一帯は新鮮な魚を出す店が並んで、多くの観光客が訪れるようになっている。駐車場に車を停めて、さて、どの店にしようか。
　 訪れたのは、創業30年になるという老舗「鮨文」。のれんをくぐると美しいカウンターの前に、数多くのネタが並んでいる。おすすめは、駿河湾の地の物だけを握った「駿河寿司（2,730円）」。さらに築地市場から直送の旬の最高のネタを握った「特上寿司（3,650円）魚介の味噌汁付」。旬の魚が水揚げされる港町の寿司屋だけあって、とびきり新鮮な魚をとことん堪能できる幸せな時間だ。わざわざ足をのばす価値があると思うし、この距離なら思い立ったとき、クルマを走らせて来てもいいと思わせてくれる充分な魅力がある。

　沼津には少し郊外に足をのばせば風光明媚なスポットが点在しているからうれしい。街のバックにそびえる富士山は、さすがにスケールが大きい。なぜか富士山を眺めると御利益がありそうな気がするのは僕だけだろうか。いい風景を探しながら海岸線の松林を行く。クルマを降りての散策も気分は最高だ。

　さて、このドライブのもうひとつの目的地は、あまり知られていないであろう、一軒宿の温泉につかること。富士の水系に恵みを受けた100％掛け流しの湯だ。桃沢温泉にはたった一軒の旅館がある。それも沼津インターからわずかしか離れていない。こんな場所にあるのだろうかと思いながらクルマを進める。たった一軒だけの宿、それも閑静な山間に立っていた。わずか16室のサービス重視の宿だった。聞けばリピート客が多いという。旬の食材を使った懐石料理を味わい、豊富な湯量を誇る富士の恵みいっぱいの湯につかる。リピート客が多いのがうなずける。大人の贅沢な時間を堪能した週末ドライブになったと思う。きっと、また近いうちに足を向けることになるだろう。