アレックス倶楽部>Geeドライブマップ |
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Mクラスはメルセデスが提案するSUVの理想の形。アクティブ感漂うフロンドグリルの網目デザインが斬新だ。インテリアもインスツルパネルには2連のクロームリング付きメーターほか、同じく丸型のアウトレットが中央と左右に配置され、SUVとは思えないほどスポーティにまとまっている。最大の特徴は、ステアリングコラム右のシフトレバー。ウインカー感覚で「D」レンジと「R」レンジを切り換えることができる。そのあまりのシンプルさに驚くほどだ。 一方のポルシェ911カレラは、水冷エンジンとなった996型に次ぐ最新モデルとなる997型。RR(リアエンジン・リアドライブ)の駆動方式と水平対向6気筒エンジンは、初代から一貫して受け継がれてきたもの。今回はティプトロニックS(マニュアルモード付き5速AT)タイプでのドライブとなる。 コックピットに身を沈めると、ML350とは対極のフィール。ひとたびイグニッションを捻れば、重く低いノートが車内に響きわたり、瞬時にポルシェワールドに意識は引きずり込まれてしまう。自然に走り出したい衝動が高まってくる。さっそくアクセルを踏み込み、2台揃って東名高速道路に入った。 裾野ICで降り、国道246号を沼津方面へ約15km。最初に訪れたのは「クレマチスの丘」だ。パノラマに広がる絶景を望む広大な丘の上に四季折々にクレマチスが咲くガーデンと、3館の美術館、また本格的なレストランが併設されている五感で感じる複合文化施設だ。「ヴァンジ彫刻庭園美術館」の庭園部分には、素晴らしいバランスで彫刻作品が設置され、その作品を引き立て合うかのようにクレマチスの花が植栽され、実に心地良い風が感じられる。さらに深奥部のベルナール・ビュフェ唯一の個人美術館「ビュフェ美術館」へ向かうと、3月28日まで開催している「レイモン・サヴィニャック展」が楽しめる。都心からわずか90分あまりで別世界に来たような贅沢な時間がそこには流れている。しばらく散策した後で、園内のイタリアンレストラン「マンジャペッシェ」で極めて洗練されたイタリア料理を堪能し、再びドライブを続けることに。 来た道を引き返してから、途中、国道469号に入り139号へと裾野づたいに走る。ML350は広々とした室内スペースが確保されていて、ほどよい堅さで体をホールドしてくれる。シートにも上質感が漂う。また、SUVながら左右独立の調節が可能なエアコンやナビとオーディオが統合されたコントローラー、クルマの速度を一定に保つクルーズコントロール機能、夜間のコーナーリング時に実際の進行方向を照射するアクティブライトシステムなどを搭載。セダンにも引けを取らない装備だ。 一方、ポルシェの動きは機敏そのもの。最高出力239kW(325ps)を発揮する3.6リッターエンジンは高低差のある山道を難なくこなす。ワインディングでもロール感はない。イメージどおりに、タイヤが道に吸い付いたかのように曲がる。まるで自分のドライビングテクニックが2ランクも上がったような気分にさせてくれる。とはいえ決していわゆるスポーツの無骨さはなく、一般道ではむしろ扱いやすさを感じさせるほどの柔軟さがある。 インテリアは伝統の5連メーターをはじめ、それぞれのアイテムが整然と並んでいる。欧米ではエグゼクティブクラスのビジネスパーソンが、移動手段として911を乗りこなすというがそれも納得。スーツにもぴたりとフィットする、上質感のあるデザインだ。 もちろんひとたびアクセルを踏み込めば、本物のスポーツフィール。その吹け上がりとレスポンスの速さはさすがというしかない。優雅さとタフネス、双方を最高レベルで満たしているところに、ポルシェ911の最大の魅力がある。 |
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1時間ほど走りを楽しんでいるうちに、朝霧高原に差し掛かる。霊峰の雄大な景色に見とれ、しばしクルマを止めた。そこから山梨に入りさらに山麓を周遊。精進湖から西湖へとクルマを進める。せっかくの機会だからと途中、ML350でオフロードを攻めてみた。このクルマの素晴らしさは何と言っても、常に快適で安定した走行性を発揮するフルタイム4WD。オフロードモードのABSやASRが作動し、悪路を軽々と走破しながら安定性を保ってくれる。この辺りにも妥協のないメルセデスのポリシーが貫かれていて心地よい。 そこからさらに国道139号から138号と裾野づたいに走り、山中湖を右目に見ながら三国山のパノラマ台へ。ここは知る人ぞ知る、夕景の富士山絶景ポイントなのだ。壮麗なサンセットの情景をML350のウインド越しにながめながら、リラックスしている自分に、ふと気づいた。それと、つくづく感じたのがカレラの洗練された造形美。基本デザインは初代から変わっていないのに、どんな風景にも映える。そこが都会だろうと、山道だろうと、美術館の庭園だろうと、どんな場所にもその存在を優雅に主張する。乗る楽しさと眺める楽しさをも味あわせてくれた。 陽が沈むと辺りが急に静かになったように感じられ、宿に向かう。そして富士山周遊ドライブのゴールは「ホテル鐘山苑」。ここは広大な敷地に自然の川が流れる見事な庭園と、天然温泉が楽しめる贅沢なホテル。庭園からは当然のごとく、富士の姿も見渡せる。ゆっくりと湯につかって眠りにつけば、きっと縁起のいい『あの夢』が見られるにちがいない。 |
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敷地の中に自然の渓流が流れ込む壮大な庭園があり、お茶室や甘酒がいただける数寄屋造りの小邸が多数、点在する。庭を散策するだけでも楽しい。庭園から望む富士山は絶景。ロビーでの和太鼓のショーをはじめ季節ごとのイベントも多数、開催。露天風呂を含む4つの大浴場は、カルシウム・ナトリウムをたっぷり含んだ高アルカリの天然温泉。貸切家族露天風呂もある。1日中でもゆっくり過ごせる、充実した施設がうれしい。 |
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クレマチスの丘 |
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