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発表以来、爆発的な人気を獲得しているフェアレディZ。
その走りのスポーツフィールは、伝統を受け継ぎながらも、現代的なデザインによって大人のムードが漂う。そこで今回は「子ども心」と「大人のムード」の2つを同時に楽しもうと、ダブルメニューのドライブに出かけた。
DRIVE MAP


富士スピードウェイ

静岡県駿東郡小山町大御神645-4
フォーミュラニッポンやGTカーレースなど、数々のカーレースが行われる国際レーシングコース。富士スピードウェイでは一般の人が愛車でコースを走ることができる「体験走行」を実施している。
■「体験走行」概要
●受付:コントロールセンター1階窓口
●走行料金:2,000円/3週
●受付時間:11:00〜12:00
●走行時間:12:00〜
平日でもOKだが、イベントやレース期間中は不可となるので、事前に日程を確認しておきたい。あくまで体験走行。ペースカーを追い抜いてはいけないので要注意。
プロドライバーが運転するペースカーに同乗走行する「サーキットタクシー」(一人2000円)も行っている。(要予約)
TEL:0550−78−1232
9月16日〜2005年3月まで
2005年4月よりリニューアルオープン
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オーベルジュ・ブランシュ/富士

静岡県駿東郡小山町須走394-5
ランチは1500円(ランチプレート)、2500円、3500円(フルコース)を用意。
(予約・問合せ)
0120‐753‐712
本場フランスのオーベルジュで腕を振るってきたシェフによる本格的なフレンチが味わえる。季節の食材とブランシュ自慢のジビエ料理、そして100%富士山系の伏流水を使ったディナーは最高。ディナーは7,000円、10,000円、15,000円の3コース。(ジビエ料理は15,000円のコースのみ)。また1泊2食プラン(16,000円〜)、ルームチャージプラン(18,000円〜)「料理は別料金」も用意。
箱根園水族館
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根139
TEL:0460-3-1111(箱根プリンス内)
9:00〜17:00(入館は16:40まで)
無休   300台(1回700円)
大人1300円、小人(4歳〜小学生)600円
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箱根ガラスの森

神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940番48
0460-6-3111
9:00〜17:30(入館は17:00)
無休  300台
大人1300円、大高生1100円、
小中生800円
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今回のZは、完全2シーターでありながら、ヨーロピアンなデザインといい、内装のシンプルかつゴージャスさといい、「大人」のムードが漂う。
そんなZを楽しむために、子ども心を存分に満喫しつつも、ゴージャスな大人の時間を味わえるような、ダブルメニューのツーリングに出かけることにした。
はじめに目指したのは、富士スピードウェイ。スポーツカーといえばレース。レースといえばサーキット……といたってシンプルな発想。この単純さこそ「子ども心」なのだ。
富士スピードウェイでは、普通の人でも自分の愛車でコースを走ることができる「体験走行」というサービスを有料で行っている。一つ条件があって、それはペースカーについて走ること。絶対にペースカーを追い抜いてはいけない。フリー走行ができるのはFISCO公認ライセンスを取得した人だけ。事前に係の人から簡単なコースの説明を受けて、いよいよスタート。
ペースカーに先導されて、コースに入る。コース幅は思ったより広い。
ペースカーが描くラインに、忠実にZの進路を合わせて走った。ブレーキをきかせて鋭く抉るような第一コーナーを抜け、細かいコーナーをクリア。100Rの曲線を曲がりきると、ヘアピンカーブにさしかかる。3.5リッターV6エンジンのZの走りは、快適の一言だ。スポーツらしい迫力のあるエンジン音。アクセルのレスポンスは早く、コーナーからの立ち上がりでは、気持ちい加速を見せた。トルクの強さを実感する。
ステアリングの切れもいい。直角のコーナーリングも、想像以上にスムーズに、かつ機敏に向きを変えてくれる。高速からのブレーキも、低速域と変わらない効き方を見せる。「走る」「曲がる」「止まる」というクルマの基本性能が、高レベルで完成されていて、予想以上に扱いやすい。
全長4400メートル。フォーミュラカーが1分10秒台で周回するところを、5分ほどかけてゆっくりと走った。残念ながらノーマルタイヤでは、コースに対して限界まで性能を引き出すことは難しかったが、それでもスポーツの名に値するクルマであることは、よくわかる。規定の3周を走り終えると、冬だというのに、汗が額に噴き出していた。
サーキットをあとにして、そこから「大人の時間」にスイッチ。本格的なフレンチのランチをとることに。南仏のムード漂う「オーベルジュ・ブランシュ・富士」にクルマを寄せた。
この店には東京や静岡からも、日帰りで訪れる人が多いという。その人気の秘密は、季節の旬の食材を生かした本格的なフレンチが楽しめることと、100%富士山系の伏流水を使っているところ。水のうまさが料理の味を引き立てるのだ。
ランチはシェフがその日入った食材に合ったメニューを考えるとか。
ランチを終え、Zにもどると、またドライブを楽しみたくなった。再び「子どもの時間」に頭を切り替え、箱根スカイラインを縦走することに決定!国道138号バイパスを箱根方面に向けて走る。上り坂にさしかかり、急勾配の細いつづら折の峠道を駆け上がると、15分ほどでスカイラインの入り口にたどり着く。そこから急に視界が開けた。右手には全身を露にした富士、そして眼下には雄大な冬の裾野の情景。
つづらおりの細かいワインディングを、少しスピードを出して走る。Zは機敏な動きで右に左にコースを変える。けっして攻撃的な走りではない。が、タフな乗りこなしでも力不足を感じさせることなく、平然と、いや、もっと走りたがるような感覚だ。ポテンシャルの高さを感じながら、芦ノ湖に降りてきた。
しばらく冬枯れの湖沿いの道を走った後、湖畔のリゾート、箱根園にクルマを止めた。ここで日本一標高が高い場所にあるという、水族館に入る。オープンエアの大水槽でエイが優雅に身を翻し、熱帯の魚が群れをなして泳いでいる。
そんな癒しの時間を楽しんだ後、ティータイムをとることに。もちろんキーワードは「ゴージャス」。そんな「大人の時間」にうってつけの場所といえば、仙石原の「箱根ガラスの森」だ。ここは中世のヴェネチアングラスを展示した、気品あふれる美術館。ヴェネチア風の庭園がまた見事なのだ。
気分が落ち着いてきたところで、ヴェネチアン・グラス美術館に足を運ぶ。王宮の中に迷い込んだような大理石づくりの室内には、中世から現代までの、きらびやかなヴェネチアングラスが展示されている。優雅なときを満喫して、ガラスの森を出ると、すっかり日は箱根の山に沈み、あたりは黄昏の情景に様変わり。そして、再びZに乗り込む喜びを噛みしめる。
オーベルジュ・ブランシュ・富士
この日のメインは「マナガツオのポワレパプリカソースフィスト添え」(右上)と「牛フィレ肉のヘンリーIV世風」(左下)。これに前菜とデザート、コーヒーがついて3500円。
箱根園水族館
日本一標高の高い場所にある水族館。高さ7m、奥行き17mの大水槽のなかを熱帯魚の群れやエイが泳ぐ姿に気持ちも癒される。
箱根ガラスの森
(写真:右)園内のカフェ「カフェテラッツァ」のオリジナルメニュー、フルーツティーは、7〜10種類のフレッシュなフルーツがまるごと入っている。(1900円・2人分)。ティーを飲み終えたら残りの果肉をホイップクリームで食べる。手作りケーキも各種あるほか、本格的なパスタ料理などもあって食事も楽しめる。(写真:左)ヴェネチアン・グラス美術館には15世紀〜17世紀のヴェネチアン・グラスを中心に現代の作品まで展示。
1日、乗り回してみてわかったのは、ニューZは、スポーツカーでありながら、けっして際立った個性を押しつけたりしないということ。20代には20代なりの、そして50代には50代の楽しみ方を与えてくれる。
運転の操作に、難しさを感じさせるポイントはどこにも見当たらない。走りの基本性能がしっかりしている分、ある意味ではセダンより快適なほどだ。エアコンやオーディオ、ナビのスイッチ類まで、アナログ主体の考え方で貫かれていて使いやすい。
ヒップポイントは低めだが、乗り降りに億劫になるほどではなかった。ただし、一度、アクセルを踏み込めばスポーツの顔をしっかりのぞかせる。個性的でありながらユーザーを選ばない、そんな懐の広さが、Zの最大の魅力だろうと思った。
免許を取りたての頃は、ただ純粋にクルマを走らせるのが楽しかったのに、いつからか、目的地にたどり着くための手段にしか思わなくなってしまっていたことに、今さら気づく。
Zは、”走り“を卒業した世代にも、純粋に走る楽しさ、喜びをもう一度、呼び起こしてくれるクルマである。
日産 フェアレディZ
●エンジン DOHC・V型6気筒3.5L●全長4310mm、全幅1815mm、全高1315mm●ミッション マニュアルモード付フルレンジ電子制御5速オートマチック(5M-ATx)●駆動 FR●完全2シーター●車両本体価格3,100,000円(5M-ATx)
写真・太田耕二 文・大島七々三 撮影協力・日産プリンス東京販売株式会社
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